職場におけるLGBTQ対応① LGBTQとは

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KiteLab 編集部

2020年6月1日に施行されたパワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)により、事業主のパワハラ防止措置が義務化されました。

同法においてパワーハラスメントは、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、労働者の就業環境が害されるものと定義され、パワハラ6類型のうちSOGIハラは「精神的な攻撃」アウティングは「個の侵害」に該当するとされています。

中小事業主のパワハラ防止措置義務化(2022年4月1日施行)を前に、ハラスメント防止対策の一環として、職場におけるLGBTQ対応について3回に分けてご紹介していきます。

今回は職場対応を考えるにあたってのはじめの一歩として、LGBTQの基礎知識を整理します。

LGBTQとは

まずは言葉の意味から確認していきましょう。

LLesbian(レズビアン) 女性同性愛者
GGay(ゲイ) 男性同性愛者
BBisexual(バイセクシュアル) 両性愛者
TTransgender(トランスジェンダー) 性自認が生まれた時に割り当てられた性別とは異なる人
QQueer(クイアの頭文字) セクシュアルマイノリティ(性的少数者)を包括して表す言葉
Questioning(クエスチョニングの頭文字) 自らのセクシュアリティを明確に定義しない人、わからない人を表す言葉

※セクシュアリティとは、人間の性のあり方の全般を指しています。

ほかにも、セクシュアリティを表す言葉として次のものなどがあります。
Xジェンダー(エックスジェンダー) 性自認が男性、女性どちらでもない人、どちらかに分類されたくない人
Aセクシュアル(アセクシャル) 他者に性的な興味を抱かない人

性はグラデーション? 性を構成する4つの要素

性のあり方は、大きく分けて次の4つの要素から成り立つと考えられています。

生まれたときの戸籍の性生物学的・解剖学的特徴により、法律上、男性か女性どちらかに割り当てられた性
性的指向 Sexual Orientation自分の恋愛感情がどの性別に向くか
性自認 Gender Identity自分の性別をどう認識しているか
性表現 Gender Expression服装や行動様式(しぐさ、言葉づかい)等、自分が表現する性

この4つの要素のうち、Sexual Orientation(性的指向)とGender Identity(性自認)の2つを指した略語を「SOGI」といいます。
生まれたときの戸籍の性は生物学的・解剖学的な性的特徴によりどちらかに割り当てられますが、性的指向、性自認および性表現のあり方については一人ひとり多様です。
具体的例を見てみましょう。

異性愛者の男性の場合

レズビアン(女性同性愛者)の場合

トランスジェンダー(生まれた時に割り当てられた性別が女性で性自認が男性)で異性愛者の場合

上記はあくまで一例であり、それぞれの要素のグラデーションのどの部分に位置するかは千差万別で一人として同じセクシュアリティはありません。
また、性的指向や性自認については、本人の意思で選んだり変えたりすることができないということも性のあり方を理解する上で重要なことです。

様々なグラデーションの例

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SOGIハラやアウティングはパワハラに該当する

パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)においては、パワハラ6類型のうちSOGIハラは「精神的な攻撃」、アウティングは「個の侵害」にあたりパワハラ該当するとされ、今回の法改正により、事業主にはパワハラ防止措置が義務化されました。

SOGIハラ 

精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)に該当すると考えられる例として、相手の性的指向・性自認に関する侮辱的な言動が該当します。
性のあり方の4要素のうちの2つ、性的指向・性自認(SOGI)について、軽い気持ちでからかったり、侮蔑するような言葉を発することはパワハラにあたります。

アウティング

個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)に該当すると考えられる例として、労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報について、当該労働者の了解を得ずに他の労働者に暴露することが該当します。
SOGIについて、興味本位に職場で話題にすることはそれ自体がパワハラにあたります。

参考:パンフレット「職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました!」 p.4 パワーハラスメントに該当すると考えられる例(厚生労働省)

まとめ

  • 性のあり方は多様であり、一人ひとり異なるもの
  • SOGIとは性を構成する4つの要素のうち、Sexual Orientation(性的指向)とGender Identity(性自認)の2つを指す
  • SOGIハラやアウティングはパワハラに該当し、事業主にはハラスメント防止措置義務がある
    ※中小事業主は、2022年(令和4年)4月1日から義務化

KiteLab 編集部
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