令和4年6月1日施行 公益通報者保護法の改正について

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KiteLab 編集部

令和2年6月12日に、公益通報者保護法の一部を改正する法律(令和2年法律第51号)が公布され、令和4年6月1日から施行されます。今回は、公益通報者保護法についてご紹介します。

公益通報者保護法とは

企業による一定の違法行為などを、労働者が企業内の通報窓口や外部のしかるべき機関に通報することを「公益通報」といいます。公益通報は、企業の違法行為を明るみに出すことによって、その是正を促し、消費者や社会に利益をもたらすことになりますが、通報した人はそれによって、企業から解雇や降格などの不利益な取扱いを受けるおそれがあります。

そこで、公益のために通報を行った労働者を保護するとともに、国民の生命、身体、財産を保護するために「公益通報者保護法」(2004年6月公布・2006年4月施行)が設けられ、それを踏まえて「公益通報者保護制度」が整備されました。

参考:政府広報オンライン 組織の不正を未然に防止!通報者も企業も守る「公益通報者保護制度」

改正の目的

2006年4月に公益通報者保護法が制定され、一定の効果はあったものの、公益通報者保護法の制定後においても、消費者の安全、安心を損なう社会問題化する事業者の不祥事が明らかになっています。こうした状況を踏まえ、事業者に対して公益通報に適正に対応するために必要な体制の整備を義務づけるとともに、公益通報者及び通報対象事実の範囲の拡大並びに公益通報者の保護の強化を行うなどの必要があるため、公益通報者保護法の改正が行われることとなりました。

改正の概要

改正公益通報者保護法では、下記3点をポイントに改正が行われています。

  1. 事業者自ら不正を是正しやすくするとともに、安心して通報を行いやすく
  2. 行政機関等への通報を行いやすく
  3. 通報者がより保護されやすく

事業者がとるべき措置

改正公益通報者保護法では、事業者に対し、内部通報に適切に対応するために必要な体制の整備等(窓口設定、調査、是正措置等)が義務付けられました。
※中小事業者(従業員数300人以下)は努力義務

上記の義務に基づいて事業者がとるべき措置の具体的な内容については、「公益通報者保護法第 11 条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針」にて定められており、この指針の最後では、 「この指針において求められる事項について、内部規程において定め、また、当該規程の定めに従って運用する。」こととされています。

参考:消費者庁HPより 公益通報者保護法第11条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(令和3年内閣府告示第118号)
参考:公益通報者保護法に基づく指針(令和3年内閣府告示第118号)の解説

まとめ

今回の改正では、事業者に対し、内部通報に適切に対応するために必要な体制の整備等(窓口設定、調査、是正措置等)が義務付けられ、その体制について内部規程において定め、また、当該規程の定めに従って運用することが求められます。
KiteRaでは、令和4年6月1日施行の法改正に対応した内部通報規程の雛形を提供しています。内部通報に適切に対応するために必要な体制の整備に際し、少しでもご参考になればと思います。

KiteLab 編集部
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